魔法のしっぽ1

 


 その昔、世界は魔法に溢れていた。

錬金術師、占い師、まじない師。すべては魔法使いがやっていた。

彼女の名は、シャオン。髪が青く、瞳は茶色の少女17歳。彼女は、魔法の経験を数々と積み中級の魔法は使える。

一攫千金を得るため、村から街へ移住する移民船でやってきた。

これは、彼女の人間関係を取り巻くストーリーである。

 

この街、イッシュは海と山があり、水の豊富な所だ。

ここには、魔法使いが少なく、魔法使い人口が求められている。

シャオンは、海の近くの小さな家を借り、仕事探しに行った。

しかし、どこに行っても、仕事は男がする力仕事、炭鉱には魔法使い。ましてや、女の力などいらなかった。

しかし、シャオンはめげない。

何度でも通いつめて、やっと友達になった少年がいた。

名はフィルス。年はシャオンと同じ17歳。髪の色は見事な栗色で目の色は緑。炭鉱の見習いをやっている。

 彼もまた、移民船でやってきた。シャオンとは、違う村だけど、同じ移民同士話が合った。

今日も、シャオンが炭鉱に赴いて、仕事はないか? と訪ねてきた。

「ねぇ、フィルス〜。仕事な〜い?」

「あるわけないだろ? こっちは、炭鉱のバルブをひねってる毎日だよ」

「冷たいなぁ」

「シャオン、だったら、ギルドに行ってみればいいよ」

「ギルド?」

「仕事の斡旋所だよ。魔法が使えるなら、何かあるかもしれないよ?」

「分かった。ありがとう」シャオンは、フィルスにお礼を言い、その足で、ギルドに向かった。