その次の日、ある決断をした。
いない人のことは、保留して、今ある自分を大切にしようと思った。
そう、千春の告白を受け入れることだ。
その日は、雨が降っていた。
屋上は無理だし、千春の教室に行った。
千春は俺の登場に驚いていた。
「先輩、どうしたんですか?」
「うん、雨だし、別の場所を探そうと思ってね」
「そうなんですか。」
「行こうか?」
「はい」
千春は、お弁当を抱えて、俺についてきた。
俺は、多目的室に入り、千春を促した。
「千春ちゃん。ここでいい?」
「はい。じゃあ、お弁当広げますよぉ。今日は先輩の好きなクリームコロッケ入れてきたんですよ」
「ありがとう、千春ちゃん。俺、千春ちゃんと・・・、」
「なんですか?」
「千春ちゃん、俺と付き合って」
千春は、弁当箱を落とした。
「先輩・・・、」
「俺と付き合って」
「先輩、信じていいんですか?」
俺はにこりと微笑み「いいよ」と返した。
千春は言った。「先輩、付き合ってるんですよね?」
「そうだよ」俺は返した。
「ねぇ、先輩。一緒に帰りませんか?」
「うん、いいよ」
そして、俺達は、千春のクラスで待ち合わせ、一緒に帰ることに決めた。
最初は何度か冷やかされることがあったが、だんだんと浸透した、それが、自然になってきた。
お互いがお互いのクラスに行く。
それは、楽しかった。
「先輩。明日、デートしませんか?」
「いいねぇ」
「私、見たい映画があるんです」
「どんなの?」
「ラブストーリーです」
「へぇ、」
「曽田祐樹と夏島美奈がでるんです」
「楽しみだな」
「明日、駅前ですよ?」
「うん」