空の時 12




  そうして、千春とデートや屋上のランチを重ねると、抱きしめるだけじゃ物足りなくなった。

その日の昼休み。いつものとおり千春が扉を開けた。

「せんぱ〜い。いますかぁ?」

「うん」


 俺は千春に吸い寄せられるように、つかつかと歩いて言った。そして、キスしようとした。

すると、千春は、顔をそむけた。

「いや!」

俺は、その言葉にショックを受けた。

「ご、ごめん」

その後、気まずくなって、二人は、バラバラに弁当を食べた。


 気まずい、雰囲気。

俺が何かを話そうとすると、授業を告げるチャイムがなり、千春は、屋上から姿を消した。


 そして、3日間、千春は、屋上にくることがなかった。

俺は、屋上で一人、腐っていた。

メールを受信した。

相手は、千春だった。


 

 先輩、放課後、校門で待ってます。

千春からのメールに俺は、胸を弾ませて行った。


 

 校門では、千春がすでに待っていた。

「おそいですよ。先輩」と、満面の笑みを浮かべて千春は言った。

「う、うん」

そして、千春は、俺の耳元に、「先輩。覚悟できました」

「え、それって!?」思わず、大声をあげた。

「しっ!」

「ご、ごめん」

最初のキスは、千春から重ねた。

行きかう生徒が見る。

そこに先生がやってきた。

俺は、やばいと千春の手をとり、町をかけ抜けた。


 

 そこは、公園だった。

「先輩、キスして」

「うん」

俺は、優しく千春を抱き寄せ、千春の唇に近づく直前、電話のコールが響いた。