そうして、千春とデートや屋上のランチを重ねると、抱きしめるだけじゃ物足りなくなった。
その日の昼休み。いつものとおり千春が扉を開けた。
「せんぱ〜い。いますかぁ?」
「うん」
俺は千春に吸い寄せられるように、つかつかと歩いて言った。そして、キスしようとした。
すると、千春は、顔をそむけた。
「いや!」
俺は、その言葉にショックを受けた。
「ご、ごめん」
その後、気まずくなって、二人は、バラバラに弁当を食べた。
気まずい、雰囲気。
俺が何かを話そうとすると、授業を告げるチャイムがなり、千春は、屋上から姿を消した。
そして、3日間、千春は、屋上にくることがなかった。
俺は、屋上で一人、腐っていた。
メールを受信した。
相手は、千春だった。
先輩、放課後、校門で待ってます。
千春からのメールに俺は、胸を弾ませて行った。
校門では、千春がすでに待っていた。
「おそいですよ。先輩」と、満面の笑みを浮かべて千春は言った。
「う、うん」
そして、千春は、俺の耳元に、「先輩。覚悟できました」
「え、それって!?」思わず、大声をあげた。
「しっ!」
「ご、ごめん」
最初のキスは、千春から重ねた。
行きかう生徒が見る。
そこに先生がやってきた。
俺は、やばいと千春の手をとり、町をかけ抜けた。
そこは、公園だった。
「先輩、キスして」
「うん」
俺は、優しく千春を抱き寄せ、千春の唇に近づく直前、電話のコールが響いた。