空の時 2


 

 店内は、学生達やOLで賑わっていた。

二人とも、ハンバーグを頼み、来るのをまっていた。


 沈黙が続く・・・


何を話していいか分からない。思わず口をついた言葉は、

「美咲って、彼氏いるの?」だった。

言った俺が驚いたが、美咲は静かに俺を見つめた。


「いるよ。2つ上の先輩」

「あはは、と、当然だよね〜」

「それが、なにかあるのか?」

「い、いや別に・・・」

俺は、ハンバーグが届くのを心底待った。


 やがて、ハンバーグが運ばれ、二人は黙々と食べた。

周りは、明るい声がしているのに、これじゃ、別れかけてる恋人のようだ。


 「で、自殺衝動はやめたの?」

「う、うん」

「なんか、すっきりしないみたいだな?」

「え、いや、とんでもない!」

「お前、嘘下手だな?」

「う・・・、」

「3年4組の『公崎』ってのに、ショーのことを聞いてみろ?」

「ショー?」

「聞くんだぞ?」

「・・・、はい」


 翌日の昼休み。3−4の公崎にショーのことを聞きに行く。

やはり、年上ばかりだと緊張する。

じろじろと、見られるのは、気持ちのいいものではない。

 3−4の教室に入り、近くにいた生徒に公崎はどこかと聞く。

公崎は、教室一番後ろの窓際だった。


 「公崎先輩ですね?」

「んぁ? 1年坊主がなんだ?」

「あの、ショーのことについて聞きたいんですが・・・、」

そう言うと、公崎は、にやりと笑った。

「次のショーは俺の家でやる。地図はここだ」

たぶん、コピーしてるのか、大勢に配ってるようだった。

「日にちは、次の日曜日の夜の9時だ」

「分かりました」


 そして、日曜日、驚くべきものを見た。